約47.6万年前という年代
興味深い発見が報道されました。
アフリカ南部の国ザンビアで、約47.6万年前の木造構造物が出土したのです。
この報道のどこに興味深い点があるのじゃろうか?
それは、約47.6万年前という年代にあります。
この年代は、ホモ・サピエンスが誕生した約20万年前よりも古いのです!
出土した木造構造物の制作者の正体は、
約70万年前から20万年前のホモ・ハイデルベルゲンシス......!
1907年、ドイツのハイデルベルク近郊、マウエル採石場。
砂利の採取中に、ホモ・ハイデルベルゲンシスは発見されました。
そして......パンパカパーン
同種がアフリカで進化して、ホモ・サピエンスが生まれました☆
おめでとう、人類。
ザンビア北部 カランボ川
本には「図をご参照して頂くと」とか何とか書いてありますよね。
私は見ない場合が多いです。
さて、以下の地図をご参照下さい(←お約束)。
ザンビアという国の北部には、コンゴ民主共和国とタンザニアがありますね?
タンザニアとの国境の一部を流れているのが、カランボ川。
この河川はカランボ滝を経て、南北に細長いタンガニーカ湖に注いでいます。
By the way, Lake Tanganyika is 割と重要な湖だよ。
注目の木造構造物が出土したのは、その滝のすぐ上流の河原でした。
実際に発見されたのは二本の丸太。
それらには、組み合わせるために石器で付けられた切り込みがありました。
用途は、濡れないための足場、通路、または水上家屋の一部だとか。
何に使っていたんだろうね?
なお、報告者のバーラム氏によれば、これまで最古の木造構造物は約9000年前のものだったのだそうな(!)
47.6万年前の木造構造物発見 ザンビア 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
2種の祖先
ホモ・ハイデルベルゲンシスから進化した種は二種います。
......え?
もちろん、一種はホモ・サピエンスです。
では、もう一種は何なのでしょうか?
それは、ネアンデルタール人です。
男「正式には、ホモ・ネアンデルターレンシスだね」
ネアンデルタール人の方が、先に生まれました。
しかし、彼らはホモ・サピエンスの祖先ではありません(......へ?)
男「なんでって、彼らは別々に進化したのだから......」
ネアンデルタール人は、灼熱の故郷を去り、10万年ごとに氷期の訪れる、寒冷なヨーロッパの環境に適応しました。
そのずんぐりとした筋肉質の体は、寒冷地への適応の証です。
一方、アフリカに残ったホモ・ハイデルベルゲンシスから進化したのが、
男「まあ、それが、ホモ・サピエンスってわけさ」
長い間、二種は同じ時代に生きていました。
その状況は、ネアンデルタール人の絶滅した約3万年前頃まで続きました。
参考にしたもの
河合信和『ヒトの進化 七〇〇万年史』(ちくま新書)