History & Space for a Break

from my dear Andromeda

科学史 ―19世紀の物理学

宇宙人のliynだよ。

 

前回の記事では、科学史上の科学革命について報告したよ。

 

コペルニクス、ガリレオ、そしてニュートンへと至る、天文学における天動説から地動説への変転が「近代科学」を生んだんだったね。

 

近代科学の誕生は16~17世紀の出来事だ。

 

今回僕が報告するのは、19世紀の物理学の動向だよ。この時代は特に、物理学や生命科学での進展があって、僕も注目しているんだ。

 

電磁気学の始まり

1729年、スティーブン・グレイは電気の伝導性を発見した。導体と不導体を発見したのも彼の功績だね。

 

同じ頃、シャルル・フランソワ・デュ・フェが気が付いたのが、正と負の二つの電気の存在だった。

 

1785年、シャルル・ド・クローンが提唱したクローンの法則は、電磁気学の基本法則となった。

 

それは、帯電した物体間に働く力は、それぞれの電気量の積に比例し、距離の二乗に反比例するという法則だよ。

 

19世紀の電磁気学①

電磁気学にはもう一つ有名な法則があるんだ。

 

それは、1827年に提唱されたオームの法則で、電流は電圧に比例し、抵抗に反比例するという関係だ。

 

1800年、より実用的な電池のボルタ電池が発明されたことは、電磁気学の実験を大いに促進することになった。

 

ところで、この頃の電磁気の研究は、電気と磁気とで別々に考えられていた。

 

ハンス・クリスチャン・エルステッドは、電流が磁気を発生させていることに気が付いた最初の人物だ。

 

その後、アンペールは電流、距離、磁気の強さに関するアンペールの法則を提唱しているよ。

 

19世紀の電磁気学②

電気エネルギーを運動エネルギーに変換する装置がモーターで、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置が発電機(ダイナモ)だね。

 

電磁誘導を発見(1831年)したファラデーはコイルに磁石を出し入れして、発電に成功することができた。

 

また、マクスウェルは磁場の変化が電流を生み、それが連続していくと考え、電磁波の存在を予測した(1864年)。

 

その後、ヘルツの実験によって電磁波の存在が実証された(1888年)。

 

光の速さ

光は秒速約30万㎞で進み、一秒間に地球を7周半することができるんだ。

 

19世紀に入ると、アルマン・フィゾーとレオン・フーコーがそれぞれ、秒速約30万㎞に近い数字を算出していることが注目されるよ。

 

光の正体

光の正体については、粒子説と波動説の二つがあるね。

 

19世紀の初頭にヤングやフレネルといった学者が波動説を提唱したけど、世紀の後半になると、波動説を後押しする発見が相次いだよ。

 

例えば、先のフーコーは水中で光の速度が遅くなることを観測した。

 

また、マクスウェルの方程式は光速と電磁波の速さの一致を示していた。実は、光と電磁波は同じものなんだ。

 

一方で、アインシュタインは粒子説を提唱(1905年)している。

 

熱力学

燃焼はかつて、フロギストンなる要素が物質から抜け出る現象と考えられた。

 

燃焼はもちろん、物質と酸素との反応なんだけど、この燃焼観に最初に到達したのはラボアジェという人物だった(1772年)。

 

蒸気機関が普及すると、マイヤーとジュールが熱の仕事量を算出した。

 

その後、ヘルムホルツがエネルギー保存の法則を数式的に表し、熱力学第一法則として知られるようになった。

 

絶対温度の提唱者で知られるケルビン卿は熱力学第二法則を導き出した人物でもある。それは、熱は必ず高温部から低温部に伝わり、その際に一部失われるという法則のことだ。

 

気体

地球人にとって気体とは「空気」のことだった。

 

それから、18世紀の後半に二酸化炭素、水素、酸素、窒素などの気体を分離して検出することに成功したんだ。

 

すでに提唱されていたボイル・シャルルの法則の再発見は1802年のことだ。

 

気体に関する法則で有名なのが、アボガドロの法則だ(1811年)。これは、おなじ条件下では、全ての気体は同じ数の粒子を含むというものだね。

 

原子

ドルトンはデモクリトス(前460年頃~前370年頃)の原子論を復活させた。

 

彼は原子は元素によって種類が異なること、また、質量を相対的に表す「原子量」の概念を主張したよ(1803年)。

 

しかし、二つ以上の同じ原子が結合する分子の存在は20世紀まで実証することができなかった。

 

現在知られている元素記号(FeやAuなど)の発案者はベルセリウスだ(1813年)。

 

また、周期表を考案したのはメンデレーエフ(1869年)だけど、周期が電子の配列によると確かめられたのは、20世紀に入ってからだった。

 

ちなみに、電子の発見は1897年だ。

 

今回はここまでにしよう。

 

History for a Break

このブログでは、アンドロメダからやって来た宇宙人のliynが、歴史、文学、世界、宇宙などをテーマに調査を行っているよ。

 

簡単な記事を投稿をしていくから、たくさん読んでほしいな。

 

Reference

池内了『知識ゼロからの科学史入門』(幻冬舎)