ヴェネツィア オーバーツーリズムとは?

イタリアの水の都ヴェネツィアは、深刻化するオーバーツーリズムの問題に最も悩まされている都市の一つだ。

 

そのため、ヴェネツィアは日帰りの観光客に入場料を課す方針を発表している。

世界初の試みだ。

 

▽ヴェネツィア

ヴェネツィア

 

オーバーツーリズム

オーバーツーリズムとは、あまりに多くの観光客が訪れることで、住民の生活、地域の環境、観光の質を悪化させ、それが許容限度を超えてしまう問題だ。

 

混雑、騒音、ゴミのポイ捨てなどは容易に想像できる所だが、ヴェネツィアの直面している問題はそれだけにとどまらない。

 

一体、何が起こっているのだろうか。

 

人口半減

最も衝撃的なのは、ヴェネツィアの人口が過去50年間で半減していることだ。

 

住宅の民泊化、それに伴う家賃の高騰、地域住民向けの商店などの減少が原因になっている。

住宅の民泊化は、ヨーロッパの他の都市にも見られる問題だ。

 

▽Youtube, posted by BBC

 

入場料

とは言え、入場料は常に課されるわけではない。

年間の混雑する時期・日を狙ったもので、合計でも30日間ほどだ。

 

導入は試験的なもので、2024年春より実施される。

日帰り観光客は事前にオンラインで予約し、QRコードを提示して入場する。

 

価格は5ユーロで、日本円では約790円だ。

 

伊ベネチア、日帰り客に入場料約800円を請求へ 来春から - CNN.co.jp

 

アムステルダム

ヨーロッパの多くの都市が、オーバーツーリズムの問題に直面している。

ごく最近でも、オランダのアムステルダムが「観光客税」を引き上げる方針だと報道されている。

 

対象は、日帰りのクルーズ船や、一泊だけのホテル料金などに課されるものだ。

同市は以前から、特に英国の観光客を問題視してきた。

 

アムステルダムでは、飲酒、売春利用、大麻販売店を目的とした観光客が大量に押し寄せ、迷惑行為が社会問題化しているという背景がある。

 

アムステルダム、観光客税を来年値上げへ オーバーツーリズム対策 - CNN.co.jp

 

地球温暖化

ヴェネツィアが取り組まなければならない問題は、これだけではない。

地球温暖化もまた、この都市を脅かしている。

 

2100年までに多くの沿岸都市が水没の危険に晒されるだろう。

そこで、ヴェネツィアは大規模な水没対策システムの構築を進めている。

 

2003年から進められている「モーゼ計画」では、高潮時に干潟に侵入する海水を押し返すための可動式の防波堤を設置することを目指す。

 

実は、すでに稼働実績があり、大きな成果を上げたと言われている。

 

水没の危機にあるヴェネツィアを巨大な「壁」は洪水から本当に救えるのか?(1/4ページ) - 産経ニュース

 

浸水被害

最近では、2022年に高潮の影響でサンマルコ広場が冠水した。

また、2019年の浸水は暴風雨によるもので、過去50年で最悪の高潮だった。

 

ヴェネチアの大部分が浸水、過去50年で最悪の高潮 - BBCニュース

高潮でサンマルコ広場が冠水 ベネチア 写真24枚 国際ニュース:AFPBB News

 

追記

先日、来年の入場料徴収の詳細が発表された。

しかし、あくまで2023年11月時点での情報なので、以下のCNNの報道をリンクしておくに止めておく。

 

伊ベネチア、来年4月から入場料徴収 実施日と料金決まる - CNN.co.jp